日常的によく買い物に行くお惣菜屋さんの女将さんが、毎回のように何かしらのおまけをくださるので、日ごろのお返しも兼ねて少しでも喜んでもらえたらうれしいと思い、プレゼントしました。
結果、プレゼントしたお返しをその場でいただくことになりました。
それはきっとその女将さんがご自分で使う用に買ったかいただいたかした新品の温かそうな赤い靴下で、「なにか持たせるものはないか」と家中からあるものを探す母親かおばあちゃんの姿のようでした。
失礼な話、デザイン的に若向きだったので、きっとどなたからかのプレゼントだったのかもしれなく、申し訳ないことをしたかなとも思いました。
その後何度か顔を出すたびに、お店中のご家族からもお礼をいただく始末で、プレゼントした本人が一番びっくりしています。
おかみさんに至っては水筒にそのほうじ茶を出勤前に淹れて出かけ、仕事中に飲んでくださっているとのことで、実際にその姿まで見せてくださいました。
事前に何度か足を運んでいた店の商品だったことと、実際に飲んでみて自分でもおいしいと思ったので、安心してプレゼントにも使えると思いました。
純粋にそれだけだったのですが、おかみさんにはほうじ茶に深い思い入れがあったそうです。
詳しいことは聞いていませんが、対抗馬として悩んだ煎茶にしないでほうじ茶を選び、悩んだ甲斐があったかなと思います。
プレゼントするのはお茶と決めていたものの、先に自分が買って飲んでいた煎茶とほうじ茶とでかなり悩みました。
時季的にも寒さが厳しくなる頃で、ご商売柄手間のないもの、お湯の温度もそんなに気にしないで気軽に飲めるものが良いのではと考えてほうじ茶に決めました。
考えたことや判断した決め手はそんなことでしたが、後にも先にもプレゼントした人間の方がうれしくなる出来事でした。